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着物の畳み方ガイド|留袖から長襦袢、子どもの着物までをわかりやすく解説!

着物を仕舞う際、畳み方がわからずに困った経験はありませんか?着物の畳み方は複数あるうえに、着物の種類によって畳み方を分ける必要があります。

 

今回は、着物の畳み方の種類に応じた手順、着物を保管するときのポイントについて解説します。

■着物の畳み方の種類

着物の基本的な畳み方には、以下の種類が挙げられます。

本だたみ

多くの着物に用いられる畳み方

長着、羽織、女物、男物、単衣、袷など

袖だたみ

仮の畳み方で、着物を一時的に畳むときに用いる

長着、羽織、袴など

夜着だたみ

刺繍や箔、絵羽模様など、豪華な模様を傷めない畳み方

振袖、留袖、訪問着、二枚重ねの長着、子どもの着物、夜着、丹前、男物の紋付きなど

襦袢だたみ

長襦袢専用の畳み方、コートにも用いられる

羽織だたみ

羽織専用の畳み方、コートにも用いられる

 

このように、着物の長着、襦袢、羽織と、着物の種類により畳み方が異なります。間違った方法で着物を畳むと、シワができたり着物が傷んだりするので注意が必要です。

なお、着物の畳み方において、着物の部位に関する専門用語を用いることがあります。以下の専門用語を覚えておくと、畳み方が理解しやすくなるでしょう。

  • 上前:着付けしたときに外側になる部分

  • 下前:着付けしたときに内側になる部分

  • 前身頃:袖とおくみの間の部分、着付けで表に出る部分を「上前身頃」

  • 後身頃:両脇線から背中側の部分、着付けで内側入る部分を「下前見頃」

  • おくみ(衽):前身頃の衿先から裾までの部分

  • 脇線:前見頃と後身頃を縫い合わせた縫い目

  • 袖口:着付けしたときに手が出る部分

  • 肩山:袖の一番上の部分

■着物の畳み方|本だたみ

 

本だたみは大半の着物で活用できるうえに、女性物、男性物も問わない万能な畳み方です。まずは本だたみの畳み方を覚えておくと、ほかの畳み方も理解しやすくなるでしょう。

以下では本だたみの畳み方を、順を追って解説します。

  1. 平らな場所に着物を広げ、左に衿、右が裾になるように着物を広げる

  2. 手前側の下前身頃を、脇線に沿って谷折りで折る

  3. 下前身頃のおくみを、衿肩あきから裾まで折り返す

  4. 奥側の上前の衿先を持ち、2で折り返した下前の衿に上前の衿先を重ねる

  5. 首元の衿を開いて中心を谷折り、両肩は山折りにして重なるように整える

  6. 手前側にある下前の脇線の上に、上前の脇線を重ねて背縫いを折る

  7. 左袖を袖付け線から折り、後身頃の上に重ねる

  8. 下側にある右裾を、身頃の下に折る

  9. 裾を持ち、身頃を二つ、もしくは三つに折り畳む

 

本たたみは、着物の縫い目、折り癖に沿って畳むのがポイントです。衿の首元は三角形になるように畳むと、着物姿がきれいに見えます。

■着物の畳み方|袖だたみ

袖だたみは仮の畳み方で、着物を一時的に畳む場合に用いられます。袖だたみの畳み方は、以下の手順で行ないます。

  1. 左右の両袖を合わせた状態で、袖山を重ねる

  2. 左右の後ろ身頃を合わせ、脇線を重ねる

  3. 重ねた袖を身頃に折り、肩山と袖山を重ねる

  4. 身頃を二つ折りにする

  5. さらに身頃を二つ折りにし、正方形のかたちにする

袖だたみのメリットは、立った状態でも畳めることです。式場など着物を広げて畳む場所がないときや、出先で着物を簡単に畳みたいときに活用できます。

 

■着物の畳み方|夜着だたみ

模様が豪華な着物に用いる夜着だたみは、模様や紋の傷みを防ぐための畳み方です。模様の部分をカバーするため、和紙や白い布を当てるのが夜着だたみの特徴です。夜着だたみは、以下の手順で畳みます。

  1. 左に衿、右に裾がくるように、着物を平らに広げる

  2. 手前の下前身頃、奥側の上前身頃の順に、脇線に沿って身頃を折る

  3. 模様や紋の部分に、和紙や白布を当てる

  4. 後衿を内側に折り、衿肩あきで三角にする

  5. 左袖が上、右袖が下になるように、両袖を前身頃の上に折る

  6. 身丈を二つ折りにする

  7. 身丈をさらに半分に折る

身頃を折る際は、折り目が付かないように、和紙を巻いたものや真綿などを折山に挟みましょう。さらに、折りたい場所に物差しを置くと、きれいに身頃を折り畳めます。

 

■着物の畳み方|襦袢だたみ

襦袢だたみは、長襦袢やコートに適した畳み方です。襦袢だたみは、以下の手順で行ないます。

  1. 左に衿、右に裾となるように着物を置く

  2. 左右の前身頃を折り重ねる

  3. 手前にある下前身頃の脇線が、襦袢の中央になる位置で折る

  4. 袖口が身頃から出ないよう、下前身頃の折り目に合わせて袖を折り畳む

  5. 上前身頃も同じように折る

  6. 右袖を身頃からはみ出ない位置で折り重ねる

  7. 襦袢をたとう紙に乗せ、はみ出た部分の裾を折る

襦袢だたみをする際は、着物から見える衿と袖口がシワにならないように注意しましょう。

 

■着物の畳み方|羽織だたみ

着物や襦袢は縫い目や折り目で畳みますが、羽織は「マチ」を目印にするのが特徴です。羽織だたみは、次の手順で行ないましょう。

  1. 左に衿、右に裾がくるように置き、衿を身頃側に折る

  2. 右身頃をマチの中央で半分に折り、脇の縫い目を重ねる

  3. 奥側にある前身頃の衿を、下前身頃の衿に重ねる

  4. 中央の折山に合わせ、左身頃のマチを右身頃のマチに重ねる

  5. 左身頃の袖を、袖付け線から身頃の上に折る

  6. 羽織を持ち上げるようにして、右袖を下側に折り込む

  7. 身頃を二つ折りにする

羽織だたみのポイントは、衿の折り返しにある折り目である「きせ」を崩さずに折り畳むことです。また、羽織をしばらく着ない場合、羽織紐は外しておきます。


■着物をきれいに保管するためのポイント

着物はシワや傷みが生じやすいため、着物の種類に合う方法で畳むことが基本です。着物をきれいに保管するためには、正しい畳み方に加え、以下のポイントを実践しましょう。

◇広く、平らなところで畳む

立った状態で袖畳みする場合を除き、床に着物を広げて畳むことが一般的です。着物は広げるとかなり大きくなるため、できるだけ広い場所を確保しましょう。狭い場所で畳んだ場合、うまく畳めないうえに、シワになる可能性があります。

 

また、着物に汚れやほこりが付かないよう、たとう紙を敷いた上で畳むのがおすすめです。

 

◇風を通し、乾燥させてから畳む

着用した着物は湿気がこもっているため、すぐに畳むとカビが発生します。1~2日ほど着物ハンガーに吊るし、風を通して着物を乾燥させることが大切です。ハンガーに吊るすことで、ある程度シワが伸びるというメリットもあります。

 

また、着物を保管する場合、「たとう紙」を使うことが重要なポイントです。たとう紙は湿気を吸う効果があり、カビの発生を抑えてくれます。

 

ただし、たとう紙は消耗品であり、長く使うと除湿効果が薄れてしまいます。年に1回はたとう紙を交換し、着物を良い状態で保管しましょう。

 

◇汚れがないことを確認する

着物に汚れが付いた状態で保管すると、カビが繁殖するだけでなく、黄ばみが発生する可能性があります。着物を畳む前に汚れがないか確認し、汚れがある場合クリーニングに出しましょう。

 

なお、目立つ汚れがない場合であっても、着物を畳むときに手の汚れが付着する可能性があります。着物を畳む前には、手を洗うことを心がけてください。


 

■まとめ

着物の畳み方は、着物の種類やシーンによって異なります。初めて着物を畳む場合、オールマイティーに活用できる「本だたみ」から挑戦するとよいでしょう。

 

着物を畳む前にはしっかり乾燥させ、広い場所で畳むことが基本です。着物に汚れが付着しないように手を洗い、さらにたとう紙で包んで保管しましょう。たとう紙を使うことで、湿気を吸収してカビを防ぎ、着物いシワが付きにくくなります。ただし、たとう紙は消耗品のため、定期的に新しいものに交換しましょう。

 

なお、手持ちの着物ではなく、別の着物を楽しみたい方は、「VASARA」のレンタルサービスがおすすめです。着付けとともにヘアセットもプランに含まれているので、気軽に着物を楽しめます。

 

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