着物を着るときに必要な小物(まとめ)
着物を着るときに、忘れがちなのが小物。ご自身で着られるときは予め自分の体型を把握し、補整したい部分に必要な小物のみ取り揃えておけば大丈夫ですが、着付を依頼されて行う場合、どんな体型の方でどんな補整をご要望されるかはその時になってみないとわからないので“出たとこ勝負”なところもあります。
体型別補整方法の参考は別記事にまとめてありますので、こちらもご参考ください。
https://vasara-h.co.jp/tips/detail.html?id=374
◆まずはどの種類の着物にもMUSTで必要なセットを確認しましょう!
- 着物用の下着
- 肌襦袢
- 長襦袢
- 足袋
- 衿芯
◆使用する着物と体型の補整具合で必要量や数が変わるもの
- 腰紐
- 伊達締め
- 絞輪ベルト
- タオル
- 綿
◆TPOに応じて選ぶもの
- 草履
- 鞄
- 帯留め
- 帯揚
- 帯締め
- 半衿
- 重ね衿
- 帯枕
◆【着崩れしづらい効率の良い着方の順】小物の使い方、調整の仕方を紹介します。
①髪をセットする
どなたかに髪型をセットしていただく場合は着物を着つけた後でも問題ありませんが、ご自身で着物を着る場合は着物を着る前にセットしておいた方がセットしやすいので先に髪型をセットしましょう。
②足袋を履く
最近ではレースのものやビジューがついたオシャレなデザインの足袋が増えました。小紋(こもん)などオシャレを楽しめる普段着の場合は自由に足袋もオシャレを楽しんで大丈夫です。着物を着るシーンがフォーマルな場合は白い無地の足袋にしましょう。また、衿を付ける場合は必ず足袋を履きますので、衿を付けているのに素足にならないように注意しましょう。
③着物用の下着を着る
胸が大きかったり、スタイルよくくびれていたり、お尻が大きかったりする場合、着崩れしないように補整を行う必要があり、昔はさらしがよくつかわれていました。最近では補整下着がお手頃な価格でAmazonや楽天などでも販売されていますのでお店がご自宅の近くに無い場合はインターネットからのご購入がお手軽です。また、わざわざご購入されなくてもご自宅にスポーツブラやパット付きキャミソール、補整下着があればそれで代用されても問題ありません。要は、着崩れすることがNGとされている中で、ボディラインの凹凸がはっきりされているお体は崩れやすいため、着崩れしないように凹凸をなだらかにするものを下着として身に付ければOKです。
④肌着(肌襦袢)と裾除け
着物を長時間着ていると着物の内側は汗で蒸れ気持ち悪くなりますし着物が傷みやすくなります。それを緩和するために綿の肌着を着て汗を吸うようにします。無い場合はエアリズムとステテコやペチコートなど汗を吸ってサラサラをキープするもので代用しましょう。その際注意したいのが、背中の空き具合。着用する着物やどのようなシーンで着用されるかにもよりますが、衿を抜く際に下着が見えないようなものを選ぶようにしましょう。
着る順番としては、裾除けを着た後に肌襦袢を着ます。
⑤ボディーラインの凹凸を補整する。
体型や着る着物やTPOに併せて衿元、腰あたりの枕をタオルや綿で補整します。衿元はタオルで補整をし、厚みが足りなければタオルの間に綿を挟む程度で問題ありません。腰当たりに高さを出して帯がずり落ちて来ないように補整をします。正面から見た時の巾が気になる方は腰の上にタオルを重ねて高さをだし、タオルがずり落ちてこないように留める布は腰紐または伊達締めで留めましょう。
⑥襟芯を入れる
襟芯は長襦袢の衿と半衿の間に入れます。端がカーブに切られているものは羽織ったときに端の長い方が内側に重なるように衿芯をいれます。半襟を付けたい場合は事前に襦袢に縫い付けておきましょう。
⑦襦袢を着る
襦袢には大きく分けて着物と同じような仕立てでつながっている長襦袢(ながじゅばん)と半襦袢(はんじゅばん)と裾よけ(すそよけ)の上下に分かれた二部式襦袢(にぶしきじゅばん)があります。
着物が直接肌に触れて皮脂などで汚れ、袖いようにする役割と保温の効果があるので、昔は季節に分けて生地が使い分けられていました。寒い時期(1,2,3,4,11,12月)は、素材は絹(紋綸子、羽二重、ちりめん等)、化合繊(アセテート、ナイロン等)、ウール(メリンス等)で身頃は単衣(ひとえ)で袖(そで)のみ無双になっている袷(あわせ)仕立てを選びます。中間季節(5,6、9,10月)は、素材は絹(紋綸子、羽二重、ちりめん等)、化合繊(アセテート、ナイロン等)、ウール(メリンス等)で単衣(ひとえ)仕立てを選びます。盛夏(7,8月)の時期は、絹(絽、紗、麻)、化合繊(絽、紗)、木綿(レース、クレープ等)で単衣(ひとえ)仕立てを選びます。
※無双袖:表・裏が同一の布で袋仕立てにされている袖。
襦袢の素材をそこまで気にされない場合はポリエステルで単衣のものを通年でご利用になる方もいますので、襦袢が季節に合っていないから着物を着てはいけないとは思わなくて大丈夫です。
⑧重ね衿を着物に付ける
最近では専用のピンがあったりします。ピンが無い場合は仕付け糸で数カ所軽く縫い付けておけば大丈夫です。
⑨着物を着つける
補整がしっかりされている状態で着物を着つけます。この時に使うのが、腰紐と伊達襟、後輪ベルトです。絞輪ベルトが無い場合は腰紐でも代用が可能です。絞輪ベルトは衿元を決めておはしよりを処理するときに着付けやすい便利道具です。着物を長時間着る場合や動作が大きく動く予定のある場合は絞輪ベルトを使用することをお勧めします。
⑩帯を結ぶ
帯を結ぶときにも結び方にもよりますが腰紐を使います。お太鼓をする場合は帯枕を使用します。帯の結びかたによっては使用しませんので、事前にどの帯結びにするか決めておくと良いでしょう。お太鼓をする場合は帯枕に帯揚を巻き付けます。TPOやご年齢に応じて、帯揚の中に綿を入れてふっくらさせます。アレンジで帯留めを使いたい場合は帯留めの紐に飾りを通して結びます。
⑪最後に草履をはき、鞄に必要なものを揃える
天気が雨の場合は、草履カバー/おともを草履に履かせると足袋が泥汚れしにくくなります。