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着物の歴史

着物の歴史:大正時代

大正時代



「西洋ブームの中で、伝統的なきものや帯が生まれる」



 



明治時代の末期から大正時代にかけて、褄模様の形式をとりながら洋花をモチーフとし、それを油絵的な表現で表したものが多く見られるようになりました。また、パリ万博を通じてアール・ヌーボーの影響を受け、これを着物に反映させた植物模様も流行しました。ここに至って、近代的な印象を与える新たな様式が着物に確立したといわれています。



 



 大正時代は、「大正デモクラシー」の言葉で象徴されるように、相対的には、豊かで自由な時代だったと考えられています。そうした中、着物にも「大正ロマン」を感じさせるようないくつかの様式が見られるようになりました。



 代表的なものが、明治時代末期以来見られる洋風表現で、これは植物に限らず、他のモチーフにも応用されていて、さまざまな模様に油絵的な意匠表現が取り入れられていきました。



 その一つは、もともと日本的なモチーフを洋風な表現で表したもの、二つ目は西洋のモチーフを洋画そのものの表現で表したもの、そして三つ目は、日本の油絵に似た表現で模様を表したもので、その中にはヨットやスキーといった当時としては現代的な主題を描いたものもありました。



 また大正時代には、シボが非常に小さく平絹に近い感触の「錦紗縮緬」と呼ばれる縮緬が登場しました。鮮やかな色彩と精細な模様表現に適して、この時代の絵画的な様式を加速させました。



 



 一方で、東南アジアの更紗、ペルシャの織物、ヨーロッパのプリント染色などからデザインをとったと思われる、非常に図案的な模様もありました。明治時代に始まった洋風化が大正時代には一般人にまで広がり、その結果、海外のさまざまな文物が着物の模様にも使われていきました。



 ヨーロッパでアール・ヌーボーに次いで起こったアール・デコもこの時代の着物の意匠に影響を与えました。アール・デコの美術や工芸に見られる力強さと情緒性が時代にマッチして、大正の人々に愛されました。



 またこの時代、絣の着物も日常着として盛んに用いられていました。これらは、江戸時代の麻や木綿の絣とは大きく異なり、大胆な配色と意匠構成で、近代的な感覚にあふれていて、御召や銘仙、紬、明石縮といった生地に、多彩な絣柄が表されていました。

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