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着物の歴史

着物の歴史:江戸時代

江戸時代



「奥」の世界から始まった小袖ファッション



 



 小袖を構成する要素として、形以外では生地の素材、模様、加飾技法をあげることができます。近世の小袖では、これら三つの要素の組み合わせの変化が、さまざまな時代の様式を生み出しました。それらは三要素に身分や階層による好みと美意識、あるいは女性としての心理が反映されていました。



 ただし、桃山時代の小袖においては三要素の組み合わせに、まだ男女による大きな違いはありません。また武家と町人の間でもさほど差異があるわけでもありません。しかしこれに続く江戸時代には、男性と女性で服飾の内容に大きな変化が現れました。



 



 封建制度が確立された江戸時代の日本には、「表」(公的な世界)と「奥」(私的な世界)という二つの概念があり、男性は「表」の世界にいるもの、女性は「奥」の世界にいるものという建前に基づいて、社会的な規則や決め事は原則的に「表」の世界にいる男性に適用される、という考え方でした。



 また、日本では古くから、衣服によって身分を象徴させるということが行われてきたことから、江戸時代においても、建前上「表」の世界にいる男性は、身分を象徴する機能をもつ衣服の固定化が身分制度の維持にとって重要であったため、衣服の自由な選択は許されませんでした。そのため男性の小袖には、個人の好みに基づく多様さや、時代の変化に伴う様式の変遷及び流行現象をほとんど生じることがありませんでした。



 これに対して、「奥」の世界は「表」からは見えない世界であるという建前があったため、「表」の世界に身分制度が存在していても、「奥」の世界に生きる女性に対しては、社会秩序を乱さない限り、衣服の選択には比較的自由が許されていました。

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